| ▲ 症 状 |
骨密度はゆっくりと減少し、老年性骨粗鬆症ではとりわけゆっくりなため、最初は、骨粗鬆症には何の症状もない。症状がないままの人もいる。
骨密度がかなり減少して、骨がつぶれたり折れたりするとき、骨の痛みや変形が起こる。もし脊椎骨がつぶれると(脊椎粉砕骨折)、慢性の腰痛が生じることがある。弱くなった脊椎骨は、自然発生的に、あるいはわずかな外傷の後につぶれることがある。通常、痛みは突然始まって、背中の特定の部位にとどまり、立ち上がったり歩くときに悪化する。その部位は、触られたときに痛むことがあるが、通常痛みは数週間あるいは数カ月の後に次第に消えていく。もしいくつかの脊椎骨が壊れたなら、脊椎の異常な弯曲が発現し(老人性円背)、筋肉の過労や痛みを起こす。
他の骨は、しばしば軽い圧力や転倒で骨折することがある。最も深刻な骨折の一つは股関節部骨折で、高齢者の自立を損なう主要な原因である。手首につながる腕の骨(橈骨)の骨折は、コリーズ骨折と呼ばれ、同じくよくみられる。加えて、骨粗鬆症患者では、骨折の治りが遅い傾向がある。
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| ▲ 診 断 |
骨折患者の骨粗鬆症の診断は、症状、身体の診察、骨の]線写真の組み合わせに基づく。骨粗鬆症につながるような治療可能な症状を除外するためには、より以上の検査が必要になることがある。
しかしながら、骨粗鬆症は、骨折が起こる前に診断できる。骨密度を測定するいくつかの検査が診断の役に立つ。最も正確な検査は二重エネルギー]線吸収測定法(DXA)で、それは骨密度を測るために、]線写真より少ない低線量の放射線を使用する。この検査は痛みがなく、そして安全で、5〜15分で実施できる。
1回でも良い。(2回の希望も可) |
| ▲ 予 防 と 治 療 |
骨粗鬆症の予防は、それを治療するよりも成功しやすい。予防は、十分な量のカルシウムを消費したり、体重を支える運動を行うことによって、骨密度を維持または増加させることが含まれる。そしてある種の人では、薬物の服用、通常はホルモン補充療法が含まれる。
十分な量のカルシウムをとることは、最大骨密度に達する(30歳前後に)前ではとりわけ効果的だが、その後でも効果がある。カルシウムの豊富なミルクを1日2杯飲むことや、ビタミンD補給剤を毎日とることは、これらの栄養素が不足しがちな健康な中年女性の、骨密度を増やすのに役立つ。しかしながら、骨粗鬆症の予防を試みる女性の大半が、錠剤型式のカルシウムを服用する必要がある。多くの異なる調剤が利用可能で、中には補給用のビタミンDを含むものもある。毎日の推奨カルシウム摂取量は、約1.5gである。
歩行や階段上りのような、体重を支える運動もまた骨密度を増やす。水泳のような、体重を支えることを伴わない運動は骨密度を増やすとは考えられていない。
エストロゲンは女性の骨密度を維持するのに役立つので、女性によっては閉経後に、時にプロゲステロンを併用しながらエストロゲン服用する。これらのホルモン補充では、まだ月経のある女性たちに認められる保護的なホルモンバランスを真似た容量が投与される。エストロゲン補充療法は、閉経後4〜6年以内に開始した場合に最も有効であるが、その後で使い始めても、骨の損失を遅らせ骨折のリスクを軽減できるという研究もいくつか示されている。閉経後にエストロゲン補充療法を使うべきかどうかについての決定は複雑である。なぜなら治療には副作用とリスクを伴うことがあるからである。
治療の目的は、稠密な骨を作るために必要な栄養素とホルモンの身体への供給を増やすことに向けられる。軽症型の骨粗鬆症がある女性の場合、カルシウム補給剤を服用することになるだろう。通常は、ビタミンDの補給も同様に推奨される。
骨粗鬆症が悪化しているか、または重度の骨粗鬆症がある閉経後の女性でも、同様にエストロゲンが投与され、疾患の進行を遅くするか止めることができる。予防のために使うときは、エストロゲンはしばしばプロゲステロンと併用される。
男性の骨粗鬆症患者では、特に身体が十分な量のカルシウムを吸収していないことを検査結果が示すなら、カルシウムとビタミンDの補給剤を服用する。男性はエストロゲンから利益を得ないが、もしテストステロンレベルが低い場合は、テストステロンから利益を得ることがある。
アレンドロン酸やエチドロン酸のような二リン酸化合物は、骨の損失を遅らせ、骨粗鬆症の治療に有用である。それらは単独で使われることも、骨粗鬆症を予防するためにホルモン補充療法と併用されることもある。
多くの権威が、特に痛みのある脊椎骨折をしている患者のために、カルシトニンを推奨している。この薬物は、注射でも点鼻スプレーでも用いることができる。
フッ素の補給も骨密度を増やすことができるが、結果として骨が異常になったり、脆くなったりすることがある。この理由から、フッ素の補給剤は、現在では男性にも女性にも推奨されていない。
骨粗鬆症の結果として生じる骨折は、治療しなければならない。股関節骨折の場合、通常は股関節部の一部、またはすべてが置換される。手首の骨折は、ギプスで固定されたり、手術で修復される。脊椎がつぶれて重度の腰痛を起こすときは、背中をサポートするブレース、鎮痛薬、理学療法が用いられるが、痛みは長く続く傾向がある。
慢性の腰痛には、背筋を強化する運動が、ある程度役立つことがある。重い物の上げ下ろしが症状を悪化させる。通常の運動は勧められている。
万有製薬HPより |